筋肉は柔らかいほうがふんばりが利く
よく試合本番前に筋肉を柔らかくすると本来の力を発揮できないから良くないと言われています。
特に野球などは壁をつくる側の筋肉は硬くしないといけないという考えがあるそうです。
本当にそうでしょうか。
実は正常な筋肉は柔らかく力も思い通りにコントロールできます。
その理由は一般的に知られている筋肉を柔らかくする方法に原因があります。
筋肉を7年間見てきたセラピストの私が説明したいと思います。
力が入らない原因はストレッチ
ストレッチによって力が入らない原因をつくっています。意外な答えかもしれません。
問題なのは硬くなった筋肉をほぐす方法に静的ストレッチをすることがパフォーマンスを逆に悪くします。
なぜなら筋肉には筋肉を硬くする機能を持つ筋紡錘が存在するからです。
この筋紡錘が筋肉を硬く縮めている原因なのに、無理やり筋肉を伸ばしていることに問題があります。
筋紡錘はどんな機能?
筋紡錘や筋肉の長さや筋肉の張力を監視する働きを持っています。
筋肉を動かすとき、関節がずれないように安定した曲げ伸ばしを行えるために必要な機能です。
みなさん脚気(かっけ)検査に、ひざがしらをハンマーで叩くと膝が伸びる反応みられた経験ありませんか?
ひざを伸ばす動きを担当する大腿四頭筋(だいたいしとうきん)という筋肉がももの前にあります。
ひざがしらを叩くと、ひざを曲げる方向に強い力が働き、大腿四頭筋が急に引っ張られます。
その時、反射的に筋紡錘が筋肉を縮める指示を行い、大腿四頭筋が縮まります。
伸びたひざは、重力に従って元のひざを曲げた姿勢に戻ります。この時はひざが伸びるので筋紡錘は縮める指示を徐々に解除していきます。
筋肉は負荷がかかると筋紡錘が働き、関節を守るようにできています。
筋肉が硬くなる原因は筋肉のロック
筋紡錘が縮まるケースは日常生活でも起きています。
- ものを持ち上げる、支える
- ジャンプなど力を入れた状態での動作
- 座って立ち上がる動作など
- バランスを崩した時の維持
スポーツに関しても同じことがいえます。
筋肉はいったん縮めて、反動で伸びることで力が加わります。
そのときに関節が安定するようにブレーキをかけているのが筋紡錘です。
負荷が大きい動作ほど、筋肉にかかる張力は大きくなり、筋肉は縮まります。縮まった分だけ筋肉の伸びしろが少なくなります。
筋肉が持つ伸びしろ(あそび)が少ないと、動作の際、筋肉に負荷がかかります。
筋紡錘は、これ以上伸びない状態や急な負荷から、筋断裂・損傷や関節損傷などを守るために、ブレーキをかけます。
急にシートベルトを引っ張ったときにロックがかかるようなイメージといえばおわかりかと思います。
急な動きや想定外の力が働くと、筋紡錘の管理機能に異常が起きます。筋紡錘の機能異常により、力を抜いたときの筋肉の長さが以前より縮んでしまいます。
この状態を私どもは筋肉のロックと呼んでいます。
ロックした筋肉にストレッチをすると良くない理由
ロックした筋肉にストレッチは、筋肉本来の機能に逆らうことになります。
ロックした筋肉は大きく伸ばすと硬く縮まる
ロックした筋肉は正常な筋肉より硬く縮んでいます。
筋肉の伸びる限界もそれだけ小さくなります。
つまりいつもできる動きすら、負荷になりかねません。
いつも通りの負荷で動かしていると、徐々に筋紡錘がブレーキをかける反応が早くなり、さらにロックが悪化することになります。
ストレッチで筋肉が柔らかい理由
結論から言うと筋繊維が伸びきって、モチのようになっているだけです。
ロックした筋肉は、負荷を繰り返すことによって、筋肉の伸びは悪くなります。
初めは筋紡錘が働き硬く縮みますが、それを無理やり伸ばすと、筋紡錘の縮める指示を超えて、筋繊維が引っ張られてしまい、筋繊維はぐにゃぐにゃの状態になってしまいます。
触ってると柔らかいのですが、正常な筋肉と比べると弾力がないのが特徴です。
ストレッチでグニャグニャになった筋肉はふんばりがきかない
ストレッチで筋肉が柔らかい状態でも、筋紡錘の認識は縮んだ状態のままです。
筋繊維のが伸びきった状態で運動を始めると、負荷がかかっても筋紡錘の働きと筋繊維の張力のバランスが悪いため、コントロールが効かない状態です。
そして、関節や他の筋肉に負荷をかけやすく痛みやケガのリスクも高いです。
ある程度時間が経つと、筋紡錘が認識している筋肉の長さ(ロックした筋肉の長さ)に戻ります。
筋紡錘による筋肉ロック解除を行うメリット
本来の筋肉の機能を維持していれば、負荷への反応も正しく行われるので、力も入れやすいです。
筋肉のロックに対する影響は以下のとおり。
- 血行不良を起こしやすい
- 筋肉が伸びづらい
- 冷えやすい
- 痛みを引き起こす原因になる
筋肉のロック解除を行うことで、筋肉本来の機能を取り戻すことが可能となります。
筋肉のロックの強さにより、初めは施術時間は増えますが、筋肉の性質を考えた根本原因アプローチ施術であるため、痛みの改善から間隔をあけてメンテナンスでの通院に変わるのは比較的早いと思います。
アスリートは安定した筋肉の機能を維持することで、本来の結果を出すことが可能です。
いつでもご相談ください。
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